エイプの50ccへのエンジン載せ替えが無事に終わったのもつかの間。試運転中にキャブレターからガソリンがオーバーフローし、てんやわんや。この緊急事態に対して素人はどう対処するのでしょうか。
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エイプ・オーバーフロー
オーバーフローとは、和訳すると「溢れ出る」を意味し、キャブレターのパッキンや燃料供給ルートの異常によってガソリンが溢れ出るトラブルのことを指します。ガソリンは常温で非常に気化しやすい物質であり、衝撃や、静電気などでも発火の恐れがある危険物。乙種4類に指定されています。
そうこうしているうちに、どんどん溢れ出るガソリン。予期しないトラブルに、私の頭もオーバーフローです。とりあえず、ガソリンコックをオフにしたままエンジンを稼働させてキャブレターのフロートタンクからガソリンがなくなるのを待ちます。
いうほど大した量が漏れたわけではないのですが、借家のコンクリート地面に大きめのシミができてしまいました。
キャブレター分解
供給されるガソリンがなくなって、エンジンが止まったのを確認したら、つけたばかりのキャブレターを外して分解します。
キャブレターの燃料供給構造は、密閉されたフロートタンクにガソリンが溜まるとフロートが浮力で浮き上がり、フロートに押し上げられたバルブが閉じて燃料供給がストップされる仕組みです。
オーバーフローの原因となるのは、おもにタンクをシールするパッキンの劣化か、フロートの誤作動。あるいはバルブのつまりなど。単純な構造であるため、原因特定は容易です。
下面2本のネジを外してフロートタンクをはずし、パッキンの劣化を確認。ある程度硬くはなっているものの、それほど劣化しているようには感じられません。
しかし、タンクの底に粉状のサビが残っているのを発見。恐らく、これがフロートバルブにはさまって燃料供給がストップされなかったのでしょう。
オーバーフローの原因
オーバーフローの原因の多くは、フロートバルブが正常に閉じられない場合に起こります。
今回のオーバーフローは、タンクの錆がフロートバルブ先端のゴムパッキン部に挟まってしまい、バルブをしっかり閉じることができなかったのだと思われます。また、ゴムパッキンが劣化した状態や、フロート高の異常でもオーバーフローが起こります。
フロートを固定しているピンとフロート、フロートバルブを外して清掃します。念の為、パッキンの合わせ面やドレーンボルト周辺も清掃したうえで、ボルトを締めつけも確認して組み直します。
キャブレターオーバーフロー修理完了・雑感
エイプ50の純正キャブレーターであるケイヒンPC14は、フロート全体がプラスチックでできているため、フロート高は調整できない模様。つまり、フロート高は調整できないためフロート高の不備は原因になりえません。
それにしても、ガソリンに浸かったまま10年近くも正常に稼働している樹脂製部品は、すごい耐久性です。それと同時に、いつ耐久性が限界を迎えるか不安になります。
再びキャブレターを組み直し、恐るおそるガソリンコックをオン。
大丈夫。もう、漏らしません。
オーバーフロー修理完了。これにてエンジン載せ替え完了です。