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エンジンが一定回転数から吹け上がらない! エイプの点火系トラブルの原因は?

ちょうどレブリミッターがきいたように6,000rpmからエンジンの回転数が上がらなくなりました。エイプにレブリミッターは備わっていないため、これは明らかに故障です。原因の究明に奔走します。

目次

 

回転が上がらない! スパークプラグの失火症状

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キャブレターのセッティグが済んでから、加速時に4,000rpm付近でほんのわずかな回転上昇のひっかかりがあるのは以前から気づいていました。

しかし、ほとんど影響がないため気にも留めていなかったのですが、いつしか6,000rpm付近から回転が上がらなくなってしまいました。

低速ギアでアクセル開度微小ではしっかり回るものの、半開から全開の高負荷時は、ちょうど電子制御のレブリミッターがきいたように、タコメーターの針は6,000rpm台をフラフラと行ったり来たりします。

前回キャブレターのセッティングをしたはずなのに、調整しきれてなかったのでしょうか? それともここのところの暑さと湿気のせいで燃調が濃くなったのでしょうか?

試しに、チョークを引いて走ってみても、エアクリーナーのフタを外して意図的に燃調をズラしてみても症状に変わりはありません。

 

疑わしきは点火系の故障

さまざまな原因が考えられますが、決まった回転数で失火のような症状が出るのならば、点火系の故障の可能性が濃厚です。

走行後にスパークプラグを確認してみると、キャブセッティング後は、やや焼け気味だったプラグが今までにないほど煤けていました。

これは明らかに失火が原因。6,000rpm付近で点火できていない証拠です。

スパークプラグの点火に関わる回転ピックアップコイル、CDI、イグニッションコイルのいすれかが壊れたのだと思われます。

回転コイルが壊れたのなら、点火できないか、点火時期がバラバラになるでしょう。イグニッションコイルのリークなら、加速負荷がかかったときに症状が出るはずです。

残るはCDI。決まった回転数で失火症状が出るのなら、CDI以外に考えられません。

 

CDIとは?

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CDIとは、キャパシター・ディスチャージド・イグニッションの略で、キャパシティしたエレクトリックをイグニッションにディスチャージする装置。つまりCDIとは、蓄電した電気を点火時期に応じて放電する装置です。

エイプの場合は、ジェネレーターで発電した交流電源を、整流してコンデンサに溜め、昇圧直流化。

サイリスタがピックアップコイルから点火信号を受け取ると、回路を開放して数100V電気をイグニッションコイルへと流すようで、CDIは点火システムの中核となる部品です。

 

CDIが壊れるとどうなる

イグニッションコイルに流れた電気は、さらに数万Vまで昇圧され、スパークプラグに放電現象を発生させ混合気に点火することで、エンジンは安定して稼働してます。

しかし、高圧縮空気下や高濃度燃料下では、放電に必要な要求電圧は大きくなり、電圧を確保できなければ混合気を燃やしきることができないため、明らかな失火症状が起きたり、明確なトルク低下が発生します。

今回の症状は、前回のキャブレターセッティング後に発生したため、燃調が濃くなったことに加え、高回転まで回るようになったことで点火系統の弱さが露呈した現象と思われます。

エンジンの高回転高負荷域で充分な電圧が確保できなくなったのかもしれません。

その根本的原因は、CDIを中心とする点火系の劣化が疑われます。あるいは接触不良などによる点火系の機能不全が考えられます。

 

修理ついでに電装系のチェック

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シートとガソリンタンクを外して、CDIとイグニッションコイルを確認します。CDIは純正ではなく、武川のハイパーCDI。イグニッションコイルはおそらく純正です。

各部をチェックしてみると、イグニッションコイルの固定ネジが外れかけているのを発見しました。

共留めしている電装系のアースもまともに接地していない状態です。CDIではなく接触不良が原因でしょうか。

イグニッションコイルのボルトを締めなおし、タンクとシートを戻して試走しますが、直っていません。はやくも原因解明かと思いきや甘かったようです。

ふたたびシートとタンクを外し、今度はCDIとイグニッションコイルの配線チェックします。

テスターで導通チェックは問題ありませんでしたが、古くなった配線や緑青(酸化銅)が発生した端子は振動が大きくなると接触不良を起こす場合があるため、端子のカシメ部分を入念にチェックします。

汚れた端子は磨いて接点の金属面を露出させ、接続がゆるくなった端子はペンチでカシメなおして確実に導通するようにします。

ついでに、手の届く範囲の電装配線・端子もチェック。レギュレーターの裏側にもシリコングリスを薄く塗布して放熱性を高めてやります。

 

試走……しかし直らず

結局なにをしてもレブリミッターのような症状は直りませんでした。しかし、いろいろ手を加えたおかげか、6,000rpm以下はよりスムースに回るようになった気がします。

往生際悪く、メインジェットを交換してみたり、スパークプラグを交換してみるも直りません。

インテーク付近の剥がれかけたビニールテープを吸い込み、吸気制限がかかっているのではと、いろいろ試しましたが、一向に改善せず。

こうなると原因はやはり、確認できないCDI内部の故障でしょう。

スパークプラグは締めこんだまま折れるわ、踏んだり蹴ったりの半日。とはいえ半日配線を眺めていたおかげで、配線の細さや、配線の取り回しなど、今後の改善点が見えてきました。

さしあたり、エイプ50の純正CDIを発注しました。

 

↓後日、エイプ50用純正CDIに交換。失火症状がおさまりました。やはりCDIが原因でした。

↓CDIの劣化に加え、イグニッションコイルやプラグコードの劣化も失火の原因になります。イグニッションコイルは小型バイクのウィークポイント。強化することでよりトルクフルに走れるようになります。

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