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バイクの冬支度にワコーズ・フューエルワン【燃料添加剤】効果はある?

雪国秋田の冬はバイクに乗れません。少々気が早いのですがバイクの冬支度にワコーズ・フューエルワンを投入します。来春までキャブバイクの調子を維持するため、また、保管中のガソリン劣化やタンクの腐食を防ぐために信頼と実績のフューエルワンは定番アイテムです。

 

燃料添加剤とは

燃料添加剤とは、ガソリンに混ぜることで特殊な効果を発揮するもの。添加する成分によって効果は異なります。大きく分けると、洗浄効果をもつものと、燃焼を促進させてパワーアップさせるもの。また、その両方の効果をうたう製品もあります。

洗浄系添加剤

洗浄効果がある製品は、燃料系統の洗浄が目的。ガソリンは劣化するとガム質の物質が配管やフィルターなどに堆積するため、燃料供給量が低下してしまいます。キャブレターではフィルターやジェットの詰まりにより、燃料不足や燃調ズレが起こる場合があります。

 

インジェクション・エンジンでは、より細かい経路をガソリンが通るため、キャブレーターに比べて堆積物が蓄積しやすい傾向にあります。

しかし、インジェクションは燃料供給量がわずかに減ったとしても、補正機能がはたらくため調子の悪化に気づきづらく、知らず知らずのうちにパワーや燃費がダウンしている場合が多いのです。

 

洗浄系の燃料添加剤はパワーダウンの原因の一部となる燃料系統の詰まりを取り除き、機能を回復させる効果をもちます。


パワーアップ系添加剤

パワーアップを目的にする製品は、燃焼促進や潤滑促進、耐ノッキング性能を高めるものなど、さまざまなものが販売されています。

しかし、出力は向上するもののコストが非常に高く、常用するのは少々ムリがあるため、サーキットレースやドラッグレースなどの限定用途に留められるのが一般的です。

 

また、ハイチューンエンジンでは添加剤の配合量によっては燃調が狂い、エンジンブローが懸念されます。また、一般的に強力な薬品であるほど物質への攻撃性が高まる傾向にあるため、用法・用量には細心の注意が必要です。


燃料添加剤の使い方

パワーアップを目的とした燃料添加剤は、「スポーツ選手のドーピング」に近いものといえるでしょう。対して、洗浄目的の添加剤は、人間の身体でいう「デトックス」に近いものです。

しかし、身体の毒素を抜くデトックスであっても、成分のとり過ぎや、行為のやり過ぎは健康を害します。

 

それと同じように、燃料添加剤の継続使用は金属や樹脂の劣化を引き起こし、エンジンの故障につながる場合があります。燃料添加剤は必要なときに限定して使用、常用すべきものではないと思っています。

 


信頼と実績のワコーズ・フューエルワン

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数ある洗浄系の燃料添加剤のなかでも、古くから定評あるのが「ワコーズ・フューエルワン」。日本を代表するモーターケミカルの総合メーカーWAKO'S(和光ケミカル)が販売する燃料添加剤です。

 

PEA(ポリエーテルアミン)という化学物質を高濃度で配合し、燃料系統のガムやカーボン・スラッジを溶かして洗浄。また、燃料の酸化や腐食を防止する作用もあるため、古いエンジンや冬場は動かせないバイクの調子を保つための必須アイテムといってもよいでしょう。

 

こういった化学薬品は、効果レベルを問わず、効果さえ認められれば低コストで製造可能です。たいした効果がないものが高価で販売されていたり、洗浄効果が高い代わりに、エンジン故障のリスクがあるものなど、体感しづらいものであるため営利をむさぼる目的で製造される製品も少なくありません。

 

そのなかでも、フューエルワンは、価格と効果、信頼性の総合パフォーマンスが非常に高い商品。

 

私自信も長年のフューエルワン愛用者であり、これまで乗り続けた車には年1回ほどフューエルワンを投入しています。フューエルワンが直接影響しているわけではありませんが、免許取得後20年間あまり、燃料系統のエンジントラブルは経験したことがありません。


フューエルワンについて、非常に分かりやすい動画です。しかし、燃料添加剤の成分は劇薬であるため、素手での取り扱いにはご注意ください。

また、清涼飲料水と間違えて飲まなようにご注意ください。

 

過走行車や、どういう使われ方をしたのかわからない中古車には、フューエルワンで燃料系統をリフレッシュすることで調子を維持・改善することができます。

 


エイプにフューエルワン投入

フューエルワンは200ml入り。ガソリン20〜60Lに対して1本を投入して使用します。ただし、『20L以下の燃料には濃度1%を超えなように使用するように』と注意書きされています。

 

エイプの燃料タンク容量は5.5Lであるため、投入量は最大でも55mlです。薄い濃度でも効果は出るようなので厳密に計る必要はないと思われますが、濃すぎると燃調が狂うため約40mlに抑えて投入。

 

エイプの燃料タンクは中央でセパレートしているため、燃料コック側だけにフューエルワンを入れてしまうと始動トラブルを起こしてしまうことが予見されます。タンク内の左右に分割して入れたうえでバイクを倒してシャッフル。あとは走行時に撹拌されることでしょう。

 

2回続けて投入すると効果が高まるとのことですが、2度目の給油量によっては、やや少なめに入れなければ濃度が高まってしまう点には注意。これなら合計5回ほど使えそうなので非常にリーズナブルです。残りは冬季保管中に使うことにしましょう。

 


実走

案の定、始動性がやや低下。
始動しても、アイドルが安定する前にスロットルを離してしまうとエンジンが止まってしまいます。エンジンが温まっていればいつもと同じように始動できますが、冷間始動時はアイドリングが落ち着くまでスロットルを固定しておかなければなりません(近頃、寒くなったせいかもしれませんが)。

 

キャブレターは、想像以上に燃料濃度に敏感なよう。もう少しフューエルワンの投入量を減らしてもよいと思われます。

 

投入後、100kmほど走行しましたが、体感できるような劇的変化はありません。つまりは極端な燃料系統の詰まりなどはないということでしょう。ガソリンを100%入れたときにパワーアップが体感できるかもしれません。

 

過走行気味の車両や、インジェクション車ならもっと効果を体感できるでしょう。自動車では変化がしっかりと感じられたことを覚えています。フューエルワンは手軽にエンジンの調子を維持できる定番アイテムです。

ただし、フューエルワンの偽物が出回っているそうです。当然、偽物は効果がないため、信頼できるお店で購入しましょう。 

 

↓続きの記事【フューエルワンの検証結果】はこちらから

 

↓エンジンコンディショナーはフューエルワンに比べ即効性のあるエンジン洗浄剤です。エンジンコンディショナーを使ったエンジンバルブ周りの汚れを重点的に洗浄する方法を解説しています。

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