バイクを購入してから3年が経ちますが、これまで台風対策らしい対策はしたことがありません。秋田は近年それほど強い台風に当たることがありませんでした。しかし2022年の台風14号は日本を横断し、強い勢力を保ったまま秋田にも直撃しそうです。台風対策を調べ、自身の覚書としてまとめました。
台風はしっかりと雨対策を! えっ、違うの?
台風といえば風に加えて雨にも注意が必要です。台風の雨は暴風によって巻き上げられた海水の塩分を含んでいるため、バイクに台風の雨は天敵。台風に備え、平時より入念にバイクカバーをかけて防雨処置を施したいところですが、これがそもそもの間違いのよう。
バイクカバーをかけると、船の帆のように風を受けて倒れやすくなってしまいます。とくに、横風の影響を受けやすくなるうえ、ハンドル周りにかかったカバーは風を受けるとバイクを前進させ、その結果スタンドが解除されて転倒してしまいます。
これは風防があるバイクも同様です。調べた結果、どうやら台風時はバイクカバーを外すのが基本のようです。
台風対策の肝は「前」と「右」
ほとんどのバイクに備わるサイドスタンドは、後と左に向く風には強い特徴があります。しかし、サイドスタンドの反対側である右側はほぼ無力。前には、ほんの少し移動しただけでバイクは倒れてしまいます。
風でバイクが動いて転倒するの防ぐには、バイクが前進に動かないようにすることが大切。そのための方法は3つあります。
①ギアを入れる・ブレーキをかけておく
ギアを1速に入れておくと風の力では後輪が動かなくなります。それでも不安ならフロントブレーキをかけておきましょう。「ブレーキロック」というアイテムや、タイラップ(結束バンド)などでハンドルとブレーキレバーを縛り上げることでフロントブレーキを常時きかせておけます。
②輪留めを使う
軽いバイクは接地荷重が少なくいぶん、タイヤが滑って動いてしまう恐れがあります。物理的にタイヤを固定するには輪留めが最適です。
③バイクを風で飛ばないものに固定する
もっとも確実なのは、建築物や重量物に倒れない状態でロープなどを使い固定する方法です。家屋の壁面に停められるのであれば、厳重に固定せずともサイドスタンドの反対側に倒れることだけは防ぐことができます。
条件別その他の台風対策
※画像は燃料タンク調査に際して故意に車体を倒したものです。
バイク固定できる建築物や重量物がない
バイクを固定できない場合や、壁面に停められない場合はサイドスタンドの反対側に倒れないように対策を施す必要があります。その際には右のステップなどをパンタグラフジャッキなどで軽く持ち上げることで、どちらにも倒れないようにすることができます。
ただし、バイク自体が前に動いてしまうと、サイドステップやジャッキも機能しなくなってしまうため、前方に動かないようする対策は必要です。
何をしても倒れる
バイクはあらかじめ倒しておけば、もうそれ以上倒れることはありません。ただし、パーツの破損やガソリンやオイルやらが漏れ出す可能性があることは覚えておく必要があります。
車が横転するような強風ともなると、バイクなどひとたまりもないでしょうから、倒しておく方法も最終手段としてなら使えるでしょう。
あらかじめ倒しておく方法なら、バイクの破損は避けられないものの、倒れた際の衝撃による破壊だけは防ぐことができます。台風前には倒すことも考慮して、せめてガソリンを抜いておくとよいかもしれません。
調べたことを活かして台風対策をしてみた
幸いなことに、我が家ではバイクを壁に面してバイクを停めることが可能です。さらにバイクを固定するのに最適な「手すり」もあります。
錆びやすいエイプに雨に当てたくないため、降雪時と同じようにしっかりと下回りまで防雨処置を施し、その他の方法で転倒を防止することで台風対策とします。
ギアを入れ、フロントブレーキレバーとタイラップで固定したうえで、輪留でリアタイヤが前進しないように。
フロントフォークはセキュリティロックのチェーンを張り気味にし、さらにゴムバンドで車体を手すりに縛り付けます。転倒対策というより壁面保護のために、右サイドステップにはパンダグラフジャッキを噛ませておきました。
我が家には秘密兵器がある
バイクに乗りはじめて3年。これまで特別な台風対策をしなくて済んだのは、優れた屋外駐車環境(?)に加え、秘密兵器があったお陰です。
その兵器とは「ブラウン管テレビ」。庭でテーブル代わりなっている粗大ごみ重量物であるブラウン管テレビをバイクの側面に置いておくことで、心強い保険となります。
重いブラウン管テレビに、しっかりとバイクを固定しておけば、たとえ壁がなかったとしても多少の風ではビクともしないでしょう。台風対策には「ブラウン管テレビ」がおすすめです。
台風通過後
2022年9月に日本を横断した台風19号は、これらの備えのおかげでバイクは倒れず、無事に乗り越えられました。
とはいえ幸いなことに私の住まいは、偏西風の影響で中心付近から大きく外れたためか、風の影響はほとんどありませんでした。
風の影響を大きく受けた地域の被害もニュースで拝見しております。被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。