エイプのシートに100円ショップで売られている耐震ゲルマットを装着し、身体に伝わる振動や衝撃を低減させる試みのレポートです。
かかる費用はたったの数百円にもかかわらず、意外なほど大きな変化がありました。
100均耐震ゲルマットは、一度つけたら外せなくなるコストパフォーマンス抜群の乗り心地改善アイテムです。
目次
- 原付バイクは乗り心地が悪い!
- 100円ショップの耐震ゲルマットで乗り心地を改善
- 施工箇所①シートの取付けボルト
- 施工箇所②フレーム上
- 施工箇所③シート前部の爪
- 施工箇所④タンクにも制振クッションを
- まとめ:100均耐震ゲルマットを使えばローコストで原付バイクの乗り心地を改善できる
原付バイクは乗り心地が悪い!
小径タイヤに加え、小型軽量かつ振動が大きな単気筒エンジンを搭載する原付バイクは、乗り心地がよい乗り物とは言えません。
もちろん高価なダンパーを装着すれば、路面からの衝撃は和らげることができるでしょう。
しかし、チープなバイクに高価なサスペンションを装着したところでシャシー自体のポテンシャルの低さは埋めようがありません。
しかし、シートだけはどのようなバイクも同じような構造です。発生源からフレームを伝わり、振動がお尻に伝わるまでには、必ずシートを介さなければなりません。
すなわち、シートは振動に対する最終防衛ラインであり、シートに振動が伝わりにくくなれば身体にも振動が伝わりづらくなり、乗り心地の改善が見込めるということです。
100円ショップの耐震ゲルマットで乗り心地を改善
用意するものは100円ショップで売られている耐震ゲルマットです。
もちろんバイク用パーツではなく、どこにでも売っている家庭家具固定用の耐震ゲルマットであり、本来は家具の下などに敷くことで地震の振動を吸収し、家具の転倒を防ぐためのものです。
これをバイクのシートに流用して、身体に伝わる衝撃と振動を緩和させます。
エイプのシートがフレームと接している部分は「シートの取付けボルト」「フレーム上」「タンク手前の爪」の3点です。
加えて、燃料タンクも不快な振動を伝えてくる大きな要因のひとつです。それぞれに耐震ジェルマットをとりつけて1箇所づつ乗り心地の変化を検証していきます。
施工箇所①シートの取付けボルト
シート脇の取付けボルト部に加工を施すのは不可能であるため、ステーとシートを固定している箇所に耐震マットを挟み込みます。
この部分は純正でもゴムブッシュで固定されていますが、より柔らかい耐震マットに交換してみました。
純正ゴムブッシュを外して、硬い方の耐震マット(透明ウレタン製)を挟込むようにして取付けます。
なるべく広い面積で力を受け止められるように当て板を追加しています。
インプレッション
ほとんど変化は感じられず。なんとなく柔らかくなっているような気がする程度。ボルトの締付けトルクを緩めてみるも、ほとんど変化は感じ取れませんでした。
施工箇所②フレーム上
エイプのシートマウントは、防振のために波状のゴムブッシュが取付けられています。この部分にも、より柔らかい耐震ゲルマットを挟込み振動を遮断します。
純正ゴムブッシュの位置は前後で全4箇所です。後ろの2箇所は私の体重ではフレームに接しないためそのままです。
取付方法は、前2箇所だけに柔らかい方の耐震ゲルマットを半分にカットして挟込んだだけです。
インプレッション
フレーム上+シートの取付けボルトに耐震ジェルマットを取付けたインプレッションです。
ノーマルシートのクッションが一層厚くなったように感じられ、エンジンの振動と路面からの衝撃をうまく吸収してくれているのがハッキリとわかります。
耐震マットによる乗り心地改善は、他のブログやサイトでも絶賛されています。しかし実際に装着してみて、たったこれだけで大きく乗り心地が改善されるのには正直驚きました。
走行中、ちょっとした段差にもかかわらずガツンとくる路面からの突き上げが一切なくなりました。
施工箇所③シート前部の爪
シート前部の爪は、フレームとピッタリ合う寸法になっているため挟込むことは不可能です。
しかし、画像のように耐震ゲルマットを爪の上に置いてフレームに差入れると、上手い具合にマットが薄く伸びて、シート前部の爪の上面と両脇とフレームとの隙間を埋めるように装着できます。
ただし、この方法はより柔らかいエラストマー性のマット(青い耐震ゲルマット)でなくてはできません。
インプレッション
シート前部の爪+フレーム上+シートの取付けボルトの3箇所に耐震マットをつけたインプレッションです。
シート前部の爪に施工したことで、むしろ振動が伝わりやすくなっているように感じられます。しかし不快ではありません。
おそらくフレームとシートを固定する爪の微細な隙間が埋まり、シートの取付け剛性が向上したのでしょう。隙間がなくなったためシート自体が動かなくなり、身体に伝わる振動が小さくなったのだと思われます。
試しに一度外して走行してみましたが、明らかに振動の伝わりかたがチープに感じられるようになりました。例えるなら、車の内装の建付けが悪くビビリが発生しているような印象です。柔らかな耐震ゲルマットは、一定以上の細かい振動のほとんどをカットしてくれるようです。
取り付け後は、シートとフレームが一体になったように感じられ、ひと回り大きく上質なバイクに乗っているような感覚を覚えました。
施工箇所④タンクにも制振クッションを
燃料タンクを固定するマウントにも耐震マットを敷くと、身体に伝わる振動を軽減できます。
簡単にできるのは、ボルト留めしているタンク後端のマウント部に耐震シートを挟み込む方法です。
加えて、前側のタンクマウントブッシュにも制振シートを挟み込んでやれば、伝わる振動は大きくなるものの、強くニーグリップをしても膝や身体に伝わる細かな振動がカットされ、車体の剛性感が向上したように感じられるようになります。
まとめ:100均耐震ゲルマットを使えばローコストで原付バイクの乗り心地を改善できる
柔らかいジェル状の耐震マット(2枚入り)を100円で購入して、「フレーム上のシートマウント」と「シート前部の爪」に挟込むだけで乗り心地が悪い原付バイクの乗り味を改善できます。
とくに「フレーム上のシートマウント」への装着は、シートに伝わる微振動と衝撃を吸収して劇的に乗り心地を改善してくれます。
「シート前部の爪」への装着は、三次振動以降の微振動はほとんどカットしてくれる代わりに、一次振動と二次振動がより身体に伝わりやすくなる印象です。
路面状態のよい道路では、エンジンの振動で車体が縦に揺すられているのをハッキリと感じるようになりました。
しかし、ピストンの上下動である一次振動と、クランクシャフトの回転偏差である二次振動が適度に減衰され、そのうねりが波のように身体に伝わってくるのは決して不快ではなく、むしろ心地よく感じられます。
それは音振が徹底的に調整された高級車のような印象であり、「人馬一体」の言葉が自然と思い出されました。
↓古いバイクの乗り心地を改善するなら、サスペンションリンクのグリスアップが効果的です。とくにリアサスペンションの動きが悪くなると乗り心地が極端に悪化します。
↓高い潤滑性能を誇るベルハンマーをサスペンション各部に塗布することでも、足回りの動きを改善し乗り心地の向上が体感できます。
↓フロントフォークにベアリングを組み込むことでも乗り心地を改善できます。600〜800円でバイクが激変します。
↓意外なことに、エイプは純正エアクリーナーが発せられる振動が乗り心地を悪化させています。