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【効果検証報告】ガソリン添加剤AZ『FCR-062』はキャブ詰まりにも効くの?

エンジン内部の洗浄に高い効果があることが多くのユーザーの口コミなどによって実証されている燃料添加剤『FCR-062』。もちろんキャブレター車にも使えることは間違いありませんが、キャブレターそのものに対する洗浄効果はどれほどなのでしょうか。

FCR-062を使ったら、かえってキャブの調子が悪くなったなどの不具合事例も聞かれます。その真偽を確かめるべく、実際に調子が悪いキャブレターで試してみました。

結果として、FCR-062はキャブ詰まりにも効果があることが確認できました。ただし詰まりを完全に取り除くまでには至らないようです。

目次

 

ガソリン添加剤 エーゼット『FCR-062』とは?

gasoline additive FCR-062 motorcycle

株式会社AZ(エーゼット)が販売するガソリン添加剤「FCR-062」は、ガソリンタンクに適量入れるだけで、エンジン内部に体積したカーボンなどを手軽に落とせるケミカルアイテムです。

高いカーボン除去能力の肝となるのは、PEA(ポリエーテルアミン)という化学物質。FCR-062にはPEAが高濃度で配合され、エンジン内部のカーボンやスラッジ、燃料系統や吸気系統に付着したワニス(ガソリン気化後に残る固形物質)などを溶かし、エンジンを分解することなくそれらの汚れを除去できます。

FCR-062の取扱説明書に記載された効能は以下の通りです。

  • 燃料系統(燃料タンク、吸気系、燃焼室)の清浄、防錆、防食防止
  • 吸気系(吸気弁、吸気ポート、インジェクター、キャブレター)、燃焼室、排気系に蓄積されたデポジットの除去
  • 運転性能の改善と有害排ガス(炭化水素、CO、NOx)の低減
  • 燃費改善

ただしFCR-062にはデメリットもあります。PEAは不燃性であるためFCR-062が燃料タンク内の残り続けている間は確実にパワーダウンを起こします。また、添加量を誤るとエンジン始動不良などに陥りやすくなる点には注意が必要です。

FCR-062のガソリンワニスへの作用は以下の動画で実験されています。

www.youtube.com

キャブレター詰まりへの効果は?

clogged carburetor jet

穴が確認できないほどまでにワニスで詰まったスロージェット

キャブレター詰まりは、ガム状になったガソリンワニスがジェットノズルに堆積し、燃料の流量が低下することで起こります。

キャブ詰まりの症状は以下の通りです。

  • 始動性の悪化
  • 不安定なアイドリング
  • 走行中のハンチング(エンジン回転の変動)
  • エンジンの回転数が下がらない など

愛車のエイプは、最後にキャブレター清掃をしたのが4年ほど前。先日、久しぶりにエンジンを始動したところ、上記の症状がすべて発生していました。

古くなったガソリンのせいも相まって、エンジン始動で疲れ果てる始末。エンジンがかかっても、スロットルを開けていなければすぐさまエンストし、アイドルスクリューでアイドリング回転を引き上げると、エンジンが暖まった状態では回転数が高すぎる状態になります。

かといってアイドリングをわずかでも下げると、今度は回転数が下がりすぎてアイドリングが維持できません。

走行中も回転が不安定で、500rpmほどの範囲で激しく上下動するため低速走行時はトルク変動でバイクが前後に揺すられ、スロットルを空けると盛大に息継ぎを起こすためスロットルワークもままならない状態です。

おまけにエンジンが暖まるまでは低速ギアのシフトアップ時に、ニュートラルに入った瞬間に4000rpmほどまで勝手に回転数が上がります。

パワーはしっかりと出ているものの、振動が大きくエンジンフィーリングは劣悪。回転上昇の過渡特性は最悪です。乗れないこともありませんが、典型的なキャブ詰まり症状のオンパレードです。

手軽にワニスを溶かし落とせるFCR-062なら、キャブ詰まりを効果的に解消できそうです。FCR-062の使用でどこまで回復するのか試してみました。

 

『FCR-062』の使用方法【注意】フューエルワンと添加量が違う!

FCR-062 operating instructions

FCR-062の使用方法は薬液をガソリンタンクに入れるだけです。ただし添加量には十分に注意を払う必要があります。

取扱説明書には、バイクは燃料タンク5L毎に15mlと指定されているため、これにしたがって燃料タンクへ投入します。

なお、ワコーズフューエルワンの場合は添加量が燃料総量に対して1%を超えないようにと注意書きされていますが、FCR-062のPEA含有量はフューエルワンよりも多いとの噂であるため、FCR-062を使う場合は取扱説明書に記載された用量を守ることが鉄則です。

エイプのタンク用量は5.5Lであるため、適正添加量の15mlを投入すると濃度は約0.27%。5Lで計算したとしても0.3%程度です。

過剰添加はエンジンの始動性低下やパワーダウンを引き起こします。とくに余力の少ない小排気量エンジンほどパワーダウンの影響が顕著となります。

gasoline additive Weighing

計量が面倒な場合は、ボトルのキャップを利用しましょう。100mlボトルのFCR-062はキャップが約5mlであるため、キャップにとって3杯を入れれば15mlです。ちなみに一般的な500mlペットボトルのキャップの容量は7.5mlであるため2杯で15mlとなります。

FCR-062をガソリンタンクに投入したら、後は走行するだけです。投入後は始動性の悪化やアイドリング回転の低下する恐れがあるため、初回はエンジンが暖まった状態で投入することをおすすめします。

 

『FCR-062』効果測定レポート

冷間時の始動性の変化も確認したいため、効果測定は数日に分けて実施しました。

1日目

走行距離15kmほどでスロットル操作時の息継ぎの改善が見られました。不安定なアイドリング回転やハンチングが幾分収まったものの、不安定であることは変わりません。変動幅がわずかに小さくなった程度の変化です。

2日目

走行距離50kmほどで走行中のハンチングがほとんど出なくなりました。冷間時の始動性もいくらか改善したようです。

3日目

走行距離80kmほどまでゆるやかに改善していく様子が感じられました。その後、走行距離150kmまで走行しましたが、以降の変化は感じられません。 

スロットル開閉に伴う息継ぎ症状は大きく改善されましたが、不安定なアイドリングやハンチングは軽微になったものの、依然として起こり続けています。

この結果から、FCR-062はキャブレター詰まりにも確実に作用すると言い切れます。ただし80kmほどで効果が打ち止めになったように、FCR-062の投入だけでキャブ詰まりの症状を完治させるのは難しいようです。

燃料添加剤でのキャブレター洗浄にはコツがある

honda ape carburetor

0.3%ほどの薄い濃度でも、走行しながら洗浄効果がしっかりと体感できました。しかも、思った以上に即効性があることには少々驚きです。

ここまで早期に効果が出たのは、特殊な乗り方をしたせいもあったと思われます。特殊とはいっても極力スロットルを開けずに走行するだけです。

キャブレターに対してガソリン添加剤の洗浄効果を最大限に発揮させるには、不調となるジェットに対し、洗浄剤が含まれたガソリンの流量を増やしてやることが重要となります。

穴径が大きなメインジェットが詰まるケースは稀なため、キャブ詰まりの不調の原因のほとんどは穴径が小さなスロージェットの詰まりです。

スロットルを大きく開いて走行すると、燃料のほとんどがメインジェットを通ってしまうため、そのぶんスロージェットの洗浄効率は低下してしまいます。

FCR-062でスロージェットを効率よく洗浄するコツは、スロットルを極力開けず、スロージェット領域の開度で長時間走行することです。車種にもよりますが、感覚的には開度0〜30%くらいがスロージェットが主に使われるスロットル開度領域となります。

つまり、ちょうどエンジンの調子の悪いスロットル開度をキープして走行することで、燃料添加剤の洗浄時間を短縮できるということです。

ただし、スロージェットが完全に詰まってしまった状態では、どれだけ走行してもFCR-062の洗浄効果は期待できないでしょう。スロージェットが完全に詰まってしまうとキャブレターの構造上、燃料は強制的にメインジェットへとバイパスしてしまいます。

スロージェットが完全に詰まった状態は、実質的にメインジェットしか機能していないため適切な燃料供給ができません。それにより燃調が狂うことでエンジンの不調に陥るのが「キャブ詰まり」というトラブルのメカニズムです。

完全に詰まってしまうと、原因であるスロージェットを薬液が通過しないため、当然洗浄効果も期待できません。

FCR-062の効果測定後、キャブレターを分解してスロージェットを手作業で洗浄したところエンジンの調子が完全に回復しました。重篤なキャブレター詰まりの場合は、燃料添加剤に頼らず、分解清掃をおすすめします。

分解洗浄でキャブ詰まりを解消!【キャブ洗浄のやり方】キャブレターが汚れる原因も

 

FCR-062はキャブ詰まりにも効果あり!ただし2ストエンジンとハイカムエンジンは注意

honda ape carburetor

FCR-062はキャブレター詰まりにも効果があります。ただし、効果はジェットの詰まり具合によります。

キャブレターの詰まりが軽度の場合は効果が発揮されますが、完全に詰まってしまった場合や重篤な詰まりを起こしかけているキャブレターでは洗浄効果は望めません。

つまり、「FCR-062を使えばキャブレターの不調が回復する」とは単純に言い切れないということです。

このことから、FCR-062を定期的に使用し、キャブを詰まらせないようにした方がよいという結果になります。

燃料添加剤の使用は、キャブの分解清掃が面倒なマルチシリンダーエンジンほど有効といえるでしょう。一方、単気筒エンジンは燃料添加剤を使うよりも、キャブレターを分解洗浄をしたほうが手っ取り早いうえ確実です。

Checking the viscosity of gasoline additives

FCR-062やフューエルワンなどの燃料添加剤はガソリンに比べてやや粘度が高く、ホコリなどが付着しやすい

今回の短いテストではFCR-062によるトラブルは確認できませんでしたが、実際にキャブレターに悪影響が出た例もあるようです。

洗浄系の燃料添加剤は薬液の粘度がガソリンよりも高く、経路にへばりつきやすく、汚れやホコリを呼び込むことがユーザーの口コミによって指摘されています。

混合気の吹き返しが起こりやすい2ストロークエンジン(2サイクルエンジン)は、混合気に混ざったFCR-062がスロットル手間まで吹き返し、添加剤の成分だけがスロー経路やアイドリング経路にへばりつき、経路をつまらせる可能性がないともいいきれません。

その対策としてか、FCR-062の取扱説明書には2ストロークエンジンのバイクや農機具への使用は、4ストロークエンジンを搭載したバイクと比較して1/3ほどの添加量に指定されています。

また、吹き返しが起こりにくい4ストロークエンジンであってもバルブオーバーラップが広いハイカム装着車などは混合気が吸気系への吹き返し、その際にバックファイアを起こせば同じくスロー経路などに薬液が付着する可能性があります。

高濃度かつ長期間に渡って燃料添加剤を使うほど、こうしたトラブルが起こりやすくなるでしょう。

また、規定の添加量を守っていたとしても、連続使用時はタンク内に残った薬液の分量も加味しなくては過剰添加になってしまいます。

FCR-062やワコーズフューエルワンなどの洗浄系燃料添加剤は非常に手軽に使える反面、2ストロークエンジンとチューニングエンジンへの使用は特別な注意を払う必要がありそうです。

↓FCR-062と同様の効果があるワコーズ フューエルワンのインプレッションレポートです。

↓キャブレターの洗浄方法を解説しています。

↓チョイ乗りはエンジン内部にカーボンを溜めることになる運転です。FCR-062の効果が出るということは、それだけエンジン内部がカーボン付着が増えているということ。エンジンの調子を保つためには、運転方法を見直すことも大切です。

↓燃費改善にはベルハンマーやスーパーゾイルなどのケミカルがハイコスパ。それぞれの効果をレポートしています。

↓Myエイプのカスタム内容はこちら。低コストで最大限の効果がだせるカスタム手法を解説しています。

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