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ホンダのバイク『エイプ』専門のカスタム・チューニング・メンテナンスブログ

燃料タンクのサビ防止&キャップのメンテナンス【ガソリン水抜き剤の効果についても】

燃料が少なくなったら、タンクのメンテナンスをする絶好のタイミングです。サビの原因となるタンク内の水ごとすべて排出してしまいましょう。

水抜き剤ではタンク内の水は完全には抜けません。物理的に抜いてやるのがもっとも効率的です。同時に燃料キャップのメンテナンスも行います。水抜き剤の効果についても言及しています。

 

バイクの燃料タンクは水が溜まりやすい

燃料タンクが外部に露出しているバイクは、その多くが耐衝撃性を考慮して金属製の燃料タンクを使用せざるをえません。

水の比重はガソリンよりも重いため、わずかな水滴が徐々にタンクの底に溜まります。

ガソリン内で一体化した水の塊がタンク下部に接すれば、そこから腐食が進行し、最終的にはタンクに穴を開けて燃料漏れという事態に発展します。

 

燃料タンクは完全密閉されていません。そのため燃料が少なくなると外気を取り込み、寒暖差によってタンク内側が結露して自然に水が溜まります。

とくに雨天走行や屋外保管をするバイク、毎日の通勤などで燃料満タンでの保管が難しい場合は、少量とはいえタンクを腐食させるのに十分な量の水が溜まっている場合があります。

 

水抜き剤では水は抜けない

 燃料タンクに混入した水を抜くための「水抜き剤」が販売されています。水抜き剤の主成分はエタノール(アルコール)です。

アルコールは吸湿作用があるため、ガソリンタンク内の水を抱き込み、ガソリンにとかして燃焼させる効果が謳われています。

 

しかし、安易に水抜き剤を使うのは考えもの。燃料内でのエタノールに水抜き作用があるかどうかは疑問視されています。

エタノールの比重はガソリンよりも重いもののガソリンに溶けるため、わずかな水であっても作用させるには、かなりの量を入れる必要があると考えられます。

 

また、アルコール水溶液の比重は水分量50%でも0.93とガソリンよりも重いため、やはりガソリンタンクの底に残り続けます。

  

水抜き剤はエンジン故障の原因?

近年のエンジンはほぼアルミ製です。エタノールはアルミを腐食させるため、エンジンに悪影響を及ぼします。また、エタノールを燃焼させると発がん性物質を発生させるなどの指摘もあります。

 

欧州のガソリンスタンドでは通常のガソリンとバイオエタノールを10%混合させたE10ガソリンが併売されていますが、E10ガソリンが使えるのは専用にセッティングされた車両のみ。普通ガソリン用の車にE10ガソリンを入れると故障の原因となるそうです。

 

その一方、アルコールには耐ノック性を大きく向上させる効果があります。10%以下の添加量なら、ノックセンサーが搭載された車両や高圧縮比エンジンの燃料チューニングには使えるかもしれません。

 

 

タンクの水ごとガソリンをすべて抜く

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まずはできる限りコックから燃料を抜きます。しかし、コックからはすべての燃料を抜くことはできないため、燃料切れになったとしてもタンク内にたまった水は完全に排出されません。コックから取り出せない残りの燃料は、タンクを逆さまにして排出する必要があります。

 

エイプの場合、タンクの給油口には「返し」がついていて、逆さまにしてもガソリンは簡単に抜けません。「返し」を溶接してある隙間から少しづつ排出する必要があるため、タンクを逆さまにしたままタンクの角度を変えて、残量を確認しながら少量ずつガソリンを排出させましょう。

 

タンクのチェック

空になったタイミングでタンク内部を確認しましょう。ゴミや汚れやサビがひどいならタンク専用のクリーナーや錆取り剤で洗浄します。

 

バイクによってはタンク内が樹脂コートされいている場合があります。また、燃料コックにはシーリングには耐油ゴムなどが使われています。

樹脂に対して攻撃性のあるブレーキクリーナーやアルコール(とくに純度の低いもの)は洗浄に使用してはいけません。バイク専用品、もしくはご自身のバイクに最適な洗浄剤をお使いください。

 

排出した燃料のチェック

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抜き取ったガソリンに水が混じっていればペットボトルの底に水泡が貯まるはずです。この水をタンク内に入れてしまっては、それこそこれまでの行程が「水の泡」になってしまうため、上手に分離して再利用するか、量が少なければガソリンスタンドなどで回収してもらいましょう。

 

幸いなことに、タンクに水は混入していませんでした。もしくは作業時に少量のガソリンをこぼしてしまったときに抜けてしまったのかもしれません(汗)。ちなみに、エイプはリザーバー燃料を使い切っても、タンク内には100ml強のガソリンが残っています。

 

【注意】ペットボトルに燃料を入れる前に

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一時的にペットボトルに燃料を入れる際は、内部をしっかりと乾燥させたペットボトルを使いましょう。水滴が残ったペットボトルに入れたガソリンを使うと、ガソリンタンクにわざわざ水を入れる結果になります。

 

霧吹きでエタノールを吹き入れると、エタノールの吸湿作用によってペットボトル内の水滴を効果的に除去できます。しかし、エタノール分はすぐに揮発するものの、エタノールに含まれる水分などの他成分はペットボトル内に水滴として残ります。

 

エタノールが作用した水は親水性を帯びるため、ただの水より流動性が増して排出しやすくなるものの、エタノールは水を抱き込んだまますべて気化はしません。これは同時に水抜き剤の効果が疑われる証明となるのではないでしょうか。また、ペットボトルでの燃料の保管は厳禁です。

 

ついでに燃料キャップのメンテナンスを

タンクを乾かしている間に、外された燃料キャップのメンテナンスをしましょう。キーが回りづらい、鍵が引っかかるなどの症状があれば、ちょっとした手入れで改善させることができます。

 

必要なものは、鉛筆と真鍮ブラシ、ブレーキクリーナーと浸透性潤滑剤のみ。こちらもホワイトベースの二宮さんの動画を参考にさせていただきました。

1,アルミ腐食を真鍮ブラシで落とす

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真鍮ブラシで白くなったアルミ部の腐食を落とします。落とした汚れはブレーキクリーナーで完全除去。しかし、ブレーキクリーナーは樹脂に対して攻撃性があるため、キャップ裏のゴムパッキンには吹き付けてはいけません。パッキンを保護するか、ペーパータオルなどにクリーナーを吹き付けて汚れを除去しましょう。

 

2.鍵穴周りに浸透性潤滑剤を吹く

浸透性潤滑剤を吹く箇所は鍵穴の外周部です。またキャップ内側の連動可動部にも少量だけ吹きつけておきましょう。鍵を何度か回せば動きが改善されます。浸透性潤滑も樹脂を侵します。大量に使うと、流れてパッキン付着する恐れがあるため、あくまで少量だけ使いましょう。

 

3.鍵穴に鉛筆の芯の粉を入れる

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カッターなどで削り出した鉛筆の芯(黒檀)の粉を固形潤滑剤として鍵穴に入れてやります。その後、何度か鍵を差し入れを繰り返すと、差し込む際の引っかかりが解消されます。この作業によって、鍵の金属面が連続的に擦れる心地よい手触りが復活します。

 

まとめ

完全に燃料を空にしたエイプのタンクには、ほぼカタログ通りの5.6Lのガソリンが入りました。

 

燃料タンクのメンテナンスは古いバイクほど優先して行いたい事柄です。一度やっておけば数年単位にわたって安心して乗れるようになるでしょう。作業前に、燃料をなるべく使っておくと作業性がよくなります。ただし、燃料切れにはくれぐれもご注意ください。

 

水は、水素と酸素の化合物であるのに燃焼しない不思議な物質です。水混合燃料や水で動くエンジンなども研究されています。仮に、水単体で燃焼させられれば究極のエコエンジンが誕生しますね。

 

↓リザーバー燃料を使い切った際でも、エンジンが始動できるエイプの燃料切れ回避の裏技です。

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