第1チェックポイント『寒風山』
寒風山は標高355mの低い山ではあるものの、平地の佇むため周囲の秋田県中央部の景色を一望できます。とくに南側には美しい曲線を描く秋田の海岸線が望めます。天気がよければ南の遠方に鳥海山、北に白神山地を見ることもできます。
大正時代の地理学者 志賀重昴(しが しげたか)氏は寒風山を、アメリカのグランドキャニオン、ノルウェーのフィヨルドに並ぶ世界三景のひとつと語ったとも言われています。
全国を走り回るモトブロガーさんたちも寒風山の景色を絶賛しています。
原付一種で標高355mを踏破
寒風山は低い山ではあるものの、急傾斜が多く原付一種では少々力不足。表側から登ると、終始7%の傾斜が続き、50ccでは最高速度15km/h程度が限界です。
とはいえ、坂の途中で短いながら傾斜が緩やかになる部分があるため案外すんなりと登れました。低速高回転を維持してもオーバーヒートの兆候はなし。エンジンに対する負担はそれほどでもない様子です。
この日は土曜日。バイクでのツーリング客も多く、ノロノロと進む原付に対して、不憫な目を向けられつつも、なんとか登りきりました。
山頂付近では、300mほど登っただけでもキャブレターのセッティングがズレるようで始動性が悪化しました。
第2チェックポイント『妻恋峠』
寒風山の山頂を挟んだ裏側は妻恋峠と呼ばれるつづら折れのヘアピンが連続する峠道。高低差のある180°ターンをバイクで下る行為は、モータースポーツというより、純粋なスポーツです。決して楽しいものではありません。
まず、急傾斜による前傾姿勢と単気筒エンジン特有の強いエンジンブレーキにより、身体が前方に移動してしまうため、体勢が不安定になります。
身体を支えるためにハンドルに腕を突っ張って身体を支えると、ハンドレバーが操作しずらくなり、かといってニーグリップを強くすると今度はペダル操作がままならない。
エンジンブレーキを利かせないようにスロットルをわずかに開けておきたいものの、そうするとフロントブレーキのコントロールが満足に行えません。おまけにハンドルを強く握り込んでしまうため手が痺れます。
クラッチレバー操作とシフトペダル操作の連携も上手くできないため、シフトチェンジもぎこちないものになります。さらにドラム式のリアブレーキは明らかに制動力不足です。
峠道の下りは平地とはまったく違う乗り方を身に付ける必要があるようです。峠道でのバイク事故の原因は、単なるスピードの出しすぎではなく、操作ミスであることを痛感します。そして、スピードが出るほど操作ミスを許容しません。
膝を前方斜め下から支えられるようなタンクパッドがあれば、バイクの操作性は幾分マシになるかと思われます。
第3チェックポイント『入道崎』
入道崎は男鹿半島の頂点部分の岬。一般人が登れる灯台と断崖絶壁が見どころです。
男鹿の表側(南側)は観光名所が多く、車通りも激しいため、比較的交通量が少なく道幅もひろい裏側(北側)を通って入道崎へ向かいます。



入道崎へ来たのは、幼稚園か小学校の遠足以来です。かつては景勝地として栄えていましたが、現在では施設の半分ほどがシャッターを閉めています。
とはいえ、ここに至るまでの景色は素晴らしいためか、バイク客や自転車客も計10台ほどいらっしゃいました。
名物は男鹿の海鮮料理とUFO(が目撃された)。それに天然塩を炭化させた『黒い塩』。『黒い塩ソフトクリーム』は高級食材の黒い塩をソフトクリームにふりかけた贅沢なスイーツです。
味は、まぁ、ちょっと塩味の利いた普通のソフトクリームです。日差しで溶けやすいのが難点。見た目が秋田っぽくはあります。(注.雪国では、除雪で集めた残雪に炭をふりかけて日差しによって溶かします)


左:UFOを目撃した店主の店「UFOビデオあり」
右:黒い塩ソフト
まとめ
50ccバイクで標高355mを踏破(正確には330mほど)できたことは、車で来たのとは異なる感動的な体験でした。
昇っている途中は正直、エンジンが止まらないかヒヤヒヤものでした。ちなみに、気圧変化でタイヤがパンパンになります。
バイクで急な峠道を下るのは、独特なスキルが必要。ナメると非常に危険であることが身を持って知りました。
あと、ロードバイクって速いんですね。道中、左からぶち抜かれました。