原付バイクの使い勝手や燃費性能を確かめるために、100kmのロングツーリングを行いました。
原付バイクの走り方や、性能上の問題点をリストアップすることで、今後の改善に役立てようと思います。
目次
原付一種で100kmを走破
事前のルート選びをしっかりすれば30km/h制限の原付一種でも快適な移動ができます。
30km/h制限であるため基本的に車通りの多い幹線道路は通らず、他車の交通を妨げないルートを選んで走行しました。山間部・市街地・郊外道路それぞれの雑感を記録に残します。
山間部
海抜100mにも満たない山間部にもかかわらず、いつもよりも吹き上がりが悪く感じられます。どうやら、キャブレターの燃調は思った以上に環境に敏感な模様です。
登坂路ではもちろんパワー不足。低いギアで長い上り坂を登り続けると、エンジンの冷却が追いつかずオーバーヒートしそうになります。
そのため、登れる坂と登れない坂の見極めが重要。急な上り坂はできる限り迂回すべきです。
また、坂の途中でのシフトダウンは失速の原因。事前に助走をつけて適切なトルクが出せるギアで一気に登ってしまうのがより安全な走行方法です。
登坂中に焦げ臭い匂いがしたら要注意。そのまま負荷をかけ続けると、エンジン内部の熱膨張が過剰になり、ピストンリングやシリンダー壁、カムシャフトやベアリングなどを痛めることが懸念されます。
標高の高い峠道や山岳道路は、原付バイクでは走行不可と考えるべきでしょう。
山間部の道路は時折荒れた路面があり、やむをえず段差を乗り越える際に衝撃に対して体が身構える。これが一番体力を削るように思えます。終始リラックスしていられるように、乗り心地を改善したいですね。
回り込んだカーブは注意
カーブの多い山間部を軽い車体でヒラリヒラリと身をひるがえして走るのは爽快です。しかし、回り込んだコーナーの後半でうっかりアウト側にはらんでしまうことが度々ありました。
四輪であれば横向きに遠心加速度が加わり、ステアリングを支持できなくなりそうになると速度を落とすのが自然であるのに対し、バイクでは遠心加速度(遠心力)が高まるほど運転姿勢が安定するため減速の必要性を感じません。
しかし、この状態は非常に危険です。体を内側に傾けたコーナリング姿勢では遠心加速度により、脳への血流が低下します。
おまけに、首を起こしたとしても三半規管を司る内耳が傾くため、どうしてもバランス感覚を失いがちになります。
回り込んだ長いコーナーは、とくに遠心加速度の影響が大きくなるため、自覚がないまま意識レベルが低下している恐れがあります。反応が遅れてブレーキをロックさせれば事故は必至です。
血圧の低い人や、ロングツーリング後半などの疲労が溜まっている状態では、回り込んだカーブの走行時は過剰なほどの減速が必要と思われます。
市街地
市街地での原付の機動性は抜群です。30km/hしかスピードが出せなくても十分。車で走るより周囲に気を配る必要がなく非常に楽ちんです。
ただし、周りの車の車速が上がると、それに準じた配慮が必要になるためやや気疲れします。
路側帯は交通可能?
原則として、やむを得ない場合を除き原付バイクを含む二輪車は路側帯を走行することはできません。ただし、歩道と車道が明確に分けられた路側帯はこの限りではなく、原付バイクで走行しても罰せられることはありません。
しかし、歩道がある路側帯内で事故を起こした場合は、状況によって裁判の判例結果が分かれるようでグレーゾーンというのが実情のようです。
後方に車がいない場合は車道を走行し、交通の流れを妨げるようであれば、歩道のある道路に限り路側帯を走行するのがベターと思われます。
路側帯とはいえ自転車が往来する場合があるため、左後方確認も必須です。
「すり抜け行為」は道路交通法違反ではないものの、非常に事故リスクの高い行為です。私には怖くてできません。
郊外道路
イグニッションコイル交換によるトルクアップと、ドライブスプロケットを16Tに交換したおかげで5速・3,000rpm・30km/hで失速することなく巡航できます。
見通しがよい場所であればキープレフト。路肩に雑草が茂っていたり民家がある場所では、人や車や動物が飛び出してくる恐れがあるため、道路交通法に抵触してでも車線中央よりを走るのが安全のためにはベストです。
常に後方を確認し、速い車が来たら左に寄り、必要によっては減速して先に行かせてやりましょう。危険なものには近づかない、近づけさせないことが安全運転の要です。
燃費の記録と総評
100km走行した実燃費は、1Lあたり70kmでした。エイプ50(キャブレター車)のカタログ燃費90km/Lに対して、7割強なら十分よい方でしょう。
精神面・体力面では、一日あたり150km程度までなら走行できそうです。
ハンドルの振動による手のしびれは、休憩をすることで回復するものの、お尻は100km程度が限界のよう。乗り心地の改善が今後の課題です。
時間を気にせず、原付バイクでのんびり走るのは心地がよいものです。いつものドライブコースでも、車で通るのとはまったく違う景色が広がります。
また、単気筒ならではのビートが気分を刺激するとともに、膀胱を刺激。ようやくコンビニを見つけたときの安堵感はなにものにも代えがたい感動です。
ちょっとした移動が旅になる。これもバイクの楽しみでしょうか。
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