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ウオタニっぽいイグニッションコイルに交換【純正流用】エイプ点火系強化

点火系に一抹の不安を抱えていた私のエイプ。イグニッションコイルを交換するにも純正や純正強化品では大した変化は見込めません。

しかし、高性能イグニッションコイルキットは非常に高価。安価に手に入る高性能イグニッションコイルを探していたところ、都合のよい部品が手に入ったためこれに交換します。

 

イグニッションコイルとは

純正流用イグニッションコイルイグニッションコイルとは、いわば電圧変換器。エンジンシリンダー内の高温高圧下でスパークプラグに放電をさせるには数万ボルトの電圧が必要です。

しかし、バイクや車が一般的に用いる電圧はたったの12V。イグニッションコイルは2組のコイルと鉄心を使ってエンジン点火に必要な電圧を発生させます。

動作原理

導線を幾重にも巻いたコイルに電気を流すと周囲に磁界を発生させます。同時に、コイルは周囲の磁界が変化すると高電圧が流れる性質を持ちます。

この電磁誘導の仕組みを利用した点火システムがイグニッションコイルの動作原理です。

 

入力側である一次コイルへの電圧によって鉄心が帯びる磁力が決まります。スパークプラグにつながる二次側は、鉄心が帯びた磁力とコイルの巻き数が多いほど高電圧を発生させます。

開磁路式と閉磁路式

イグニッションコイルは開磁路式と閉磁路式に分けられます。その大きな違いは、コイルにある鉄心の形状が「棒状」であるか「ループ状」であるかです。

 

エイプ純正の筒状のコイルは開磁路式です。内部には棒状の鉄心が入っており、コンパクトである反面、鉄心が帯びる磁束が外に漏れ出しやすく効率が低くなります。

 

それに対し、ウオタニや比較的新しい車などに用いられるイグニッションコイルは、ループ状の鉄心を使うことで磁束の強さを保持しやすく、より効率よく電圧を変換することができます。ただし、イグニッションコイル自体が大型化してしまうデメリットがあります。

 

ウオタニっぽいイグニッションコイル

自動車部品から流用したイグニッションコイル

バイク用高性能イグニッションコイルの代名詞ともいえるウオタニ。それ故、非常に高価であり、破格で買ったエイプに取り付けるには少々気が引けます。

代わりに目を付けたのが、自動車用のイグニッションコイル。見れば見るほど、格安で手に入ったコイルはウオタニ SP-2によく似ています。

 

流用したコイルは日立製でした。イグニッションコイルをつくるメーカーは数が限られるため、メーカーがウオタニにOEM供給しているか、もしくはウオタニがメーカーにオーダーしているのでしょう。

基本構造やコネクタ形状は同じようですが、ウオタニの方は振動が大きなバイク用ということで3点留めになっています。

 

準備するもの

イグニッションコイル取り付けにあたって準備するもの

  • 中古イグニッションコイル(スズキやマツダ車などで広く使われていたものです・ヤフオク送料込み 1,800円
  • 090型 RFW 2極防水メスカプラー・アマゾン 送料込み 760円
  • 適当なプラグコード・愛車の使い古しを流用 0円
  • スパークプラグターミナル・使い古しのプラグから拝借 0円
  • 平型端子・工具箱より 0円
  • 0.7sqケーブル 2mほど・工具箱より 0円

 

わずか2,500円で、ウオタニ同等のスペックが手に入る(かもしれない)期待を胸に、終始興奮気味で作業に取りかかります。

 

取り付け

イグニッションコイル ステー加工

工具箱に入っていたウオタニカラーっぽいアルマイトステーを使いたかったのですが、アルミは振動で確実に割れます。使用は泣く泣くあきらめます。

 

最大の問題は取り付け位置。コイル自体が大きいため純正と同じ位置には取り付けできません。ウオタニのコイルキットは、専用ステーでホーンを留めているボルトに共留めしているものの、この位置はエンジン直上であるため熱害が心配。

 

今回はとりあえず動作テストということで、既存のステーを使って取り付けられる位置を探します。ステーの邪魔な部分をカットしてエアクリーナーボックス前方の空いているナットに固定することにしました。

 

このイグニッションコイルは防振ゴムでステーに固定されているため、振動が多い単気筒エンジンには有効。しかし、鉄心とフレームを電気的に接続することで磁束が強化され、効率が向上するとの話もききます。

 

配線作業

一次コイル配線カプラー

防水カプラーを組み立てます。0.7sqのケーブルに防水シールゴムを通して端子を圧着。装着位置が確定していないためケーブルは長めに確保しておきます。

ケーブル反対側にはオス平型端子を圧着して、純正コイルの配線に接続します。一次側コイルの入力に極性はありません。

 

プラグコードも長いため養生。このイグニッションコイル専用のケーブルではなく、差し込んでもキャップが抜けてくるため、結束バンドで締め付けてなんとか固定しました。スパークプラグにはプラグターミナルの取り付けが必須となります。

 

取り付け完了し、動作テストができるようになりました。やっつけ仕事の突貫工事の手抜き作業で失礼いたします。

流用イグニッションコイル取り付け

 

インプレッション

全域でのトルクが一枚上乗せされたような感覚。シフトアップ直後のスロットルピックアップがよくなっているのはハッキリと体感できます。

 

6,000rpm付近で感じていたトルクの落ち込みが解消され、回転上昇も滑らかになったように感じるものの、それが改善か改悪か定かではありません。

点火力が弱くなった場合も同様の変化があるためです。しかし、高負荷をかけても失火症状はありません。最高速の変化もほとんどありませんでした。

 

加速が鋭くなったというよりは、高負荷時でも安定したトルクを発揮できるようになった印象。以前は失速していたゆるい上り坂も、低回転を維持したままグイグイ登ってくれるようになりました。

 

今後の改善

長い一次側配線と、抵抗値の高いカーボンプラグコードがコイルの性能をスポイルしていることが懸念されます。

 

ウオタニのイグニッションコイルに交換すると、タコメーターのパルスが狂うとの噂があるものの、タコメーターに変化はありませんでした。

長い一次側配線が電気抵抗になっていることで正常に動作しているのかもしれません。また、臨時で用意したプラグコードは、抵抗値の高いカーボンコードであることや、各部の接触不良も気になります。

 

すぐに戻せる状態にしてあるため、1点づつ効果を確認しながらリファインしていきます。まずは、イグニッションコイルを固定する場所を決めることが急務です。

 

今回使った、一次コイル入力で使った防水カプラーは汎用品。アマゾンで購入できるため、ウオタニの正規イグニッションコイルの補修部品としても使えます。 

 

プラグコードの接点コネクタはウオタニの補修部品を使用。Amazonでは販売されておらず、楽天のWebikeで購入しました。対応コード径は7〜8mmです。 

↓↓↓続きはこちら。取り付け編。

↓↓↓ NGKのプラグコードや、余分な配線をまとめた後の最終インプレッションはこちらです。イグニッションコイルの交換でエイプの走りが激変しました。

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