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ホンダのバイク『エイプ』専門のカスタム・チューニング・メンテナンスブログ

高性能イグニッションコイルを活かすNGKプラグコード【配線作業】

取付けに必要なすべての部品が揃ったため、ウオタニっぽいイグニッションコイルの配線を仕上げます。プラグコードの変更時と配線作業完了時のそれぞれで試乗して、変化をしっかりと確認します。ウオタニをはじめとする高性能イグニッションコイルは確実に性能を向上させます。

全3部・最初の記事はこちら

 

プラグコード配線

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スパークプラグコードはNGKのレーシングプラグをチョイス。ケーブルの太さがウオタニの推奨する7mmであること、プラグターミナル対応であること、価格が安いことが決め手になりました。

これにウオタニのイグニッションコイル用補修部品の端子と防水キャップを取付けます。

 

ウオタニのHPによると、プラグコードの芯線を1.5cm引き出し、折り返して端子をカシメるとのこと。

しかし、指示通り1.5cmで折り返すとカシメ部分まで届かず接触不良が心配です。プラグコードが柔らかいシリコン被覆であることも接触不良を助長しそうです。

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 後々のトラブルを避けるために、長めに芯線を確保しカシメ部分で芯線ごとカシメるのがよいと思われます。

気づいたのはすでにカシメてしまった後だったため、端子に空いた穴からハンダを流し込んで芯線との確実な導通を確保します。

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端子はメッキが施されているためハンダが乗りません。メッキをヤスリで剥がしたうえで、フラックスを流し込んでハンダ付け。余分なハンダはヤスリで削り落としました。

 

NGKレーシングプラグコードのインプレッション

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NGKのレーシングプラグコード+ウオタニっぽいイグニッションコイルに変更後は、厚いトルクをともなったままアクセルレスポンスの向上が確認できました。

アクセルが機敏になりすぎて、操作に慣れるまで車体が前後にゆすられてしまうほどの鋭い反応を示します。

 

どのギアに入っていても3,000rpm以上回っていれば、わずかなスロットル操作で息継ぎなどせずにしっかりと加速します。

7,000〜8,000rpmの吹き上がりが明確に鋭くなっているものの、最高速に大きな変化はありませんでした。

 

排気音はやや静かになった様子。排気される周期がメトロノームのように一定のリズムを刻むようになったのが印象的です。

これまでアイドリング時にあった不整脈のような乱れも解消されています。

 

坂道でのトルクはカーボンプラグコードのときに比べ、やや薄れた模様です。二次側の抵抗値が大きいと電圧がゆっくりと流れ、点火が間延びすると聞いたことがあります。

抵抗値が大きく長時間点火するカーボンコードのほうが、点火時期や燃焼速度にバラつきがあるキャブレターエンジンと相性がよいのかもしれません。

 

一次側配線を効率化

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これまでは、純正イグニッションコイルにつながる配線からシート下の新コイルまで配線を引き回しており、ムダに長い距離を電気が流れていたことになります。

 

電気抵抗は長さに比例して増えため、電圧降下量も大きくなります。そして、点火するための二次電圧は、一次電圧の倍数となるため、なるべく配線を短くして、一次電圧の電圧降下は避けるべきです。

 

せっかくイグニッションコイルとCDIが近づいたので、バイパス配線を作り、最短ルートでコイルとCDIを接続します。

 

コイルのマイナス配線はキーシリンダーにつながるため、余分な長さのケーブルをカットして、そのまま純正イグニッションコイルの端子に接続。タコメーター配線は長くても問題ないため、フロント側からバイパス配線まで延長して分岐接続させています。

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購入したCDIコネクタのメス端子は、抜け止めがついていないタイプでした。振動で抜けてエンジン停止などのトラブルに見舞われないように、タイラップを2本使って抜け止め処理。

不要になった純正CDI配線端子は、絶縁テープを巻いて保護しておきます。

 

完成インプレッション

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一次配線を短縮したことで、点火時期はナノ秒ほど早くなっていることでしょう。しかし、その程度の変化ではエンジンには何の影響もないようです。一切の変化は感じ取れませんでした。

 

感想は、前述したプラグコードを変更したときと変わらずトルクフルかつスムーズ。タコメーターの表示乱れや、接触不良のような異常もありません。

振動が減少しているというよりは、振動の雑味が減っているような感覚で、エイプが1クラス高級なバイクになったように感じられます。

 

タケガワハイパーCDI リベンジ

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試しに、エイプ購入時についていたタケガワのハイパーCDIに交換してみたら、以前に出ていた6,000rpm付近での失火症状は発症しなくなっていました。

純正のイグニッションコイルを含む点火系全体の劣化が失火を引き起こしていたようです。

 

タケガワ・ハイパーCDIに交換したことで、排気音がやや勇ましく感じられるようになったものの、パワー感には変化が感じられません。

エイプ50純正CDIのほうが滑らかに吹き上がる気がするため、折をみて純正品に戻します。

 

これにて、ウオタニっぽいイグニッションコイルの取付け完了です。かかった費用は5,000円ほど。

開磁路式を採用するエイプ純正イグニッションコイルに対し、閉磁路式を採用するイグニッションコイルは全域でトルク向上とフィーリング向上に寄与します。

当然、ウオタニのSP-2も同様でしょう。ウオタニのイグニッションコイルは高い価格に見合うだけの性能を発揮します。

 

↓点火系を強化したら、スパークプラグのギャップを広げてやることで、さらにその効果を引き出すことができます。ブリスクのスパークプラグは、もともとギャップが広く設定された高性能スパークプラグ。強化イグニッションコイルとの相性は抜群です。

↓これだけトルクアップすると、スプロケットをハイギヤードにしても十分な加速性能を発揮します。ノーマル状態では5速で失速していた16Tのドライブスプロケットが使えるようになりました。

↓点火性能に関わるのはイグニッションコイルだけではありません。コイルの性能を引き出すには配線端子のメンテナンスも大切です。

以下、今回の作業にあたって用意したもの

・ウオタニのプラグケーブルキャップ&端子 2個入り

・ウオタニに使える一次配線防水カプラー

・ CDIカプラー端子※防水ゴム・抜け止めナシ