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ドライブスプロケットを16Tへ交換【エイプ50再挑戦】エンジン低回転化・燃費向上・静粛性アップに

ノーマルの状態ではトルクが足りず、断念したT16ドライブスプロケット。当時よりもパワーアップしたエイプ50にT16ドライブスプロケットの組み合わせに再挑戦し、巡航回転数の低回転化による燃費性能と静粛性能向上を狙います。

 

バイクのスプロケットの役割

 chain sprocketスプロケットを和訳すると「鎖車」。その名のとおり、チェーン用の歯車です。

 

バイクにおけるスプロケットは、エンジンの回転を後輪に伝達させるドライブトレインとしての役割と、最終減速比(ファイナルギア)としての役割があります。

Tの後に続く数値はスプロケットの歯数であり、数値が大きいほど大径化します。

 

エンジン側のドライブスプロケットと、リアホイール側のドリブンスプロケットの組み合わせで、最終減速比を簡単に変更できるため、エンジン特性や使い方に合わせて変更してやることで、バイクをより扱いやすいように調整することができます。

 

ギア比を低めれば、タイヤの回転数が下がる代わりにタイヤトルクが大きくなるため、加速重視のセッティング。ギアを高めればタイヤトルクが小さくなる代わりにタイヤの回転数が高くなるため、より低いエンジン回転数でより多くタイヤを回転させることができます。

 

巡航速度のエンジンの低回転化のメリットは、燃費の向上・静粛性の向上・振動の低下・エンジンの内部磨耗減少など。

 

デメリットは、タイヤトルクの減少による加速性能の低下。また、シフトアップ時の回転数のドロップダウンが大きくなるため、トルクバンドの狭いエンジンでは加速性能が著しく低下する場合があります。

 

16T×33Tでは失速するノーマルエイプ50

現在のスプロケットの組み合わせは14T×33T。ちょうど5速8,000rpmで60km/hになるギア比です。

 

以前にノーマルエンジンの状態で16Tを組み込んだ際には、トルク不足で5速に入ると失速してしまう状態でした。

 

あれから、エンジン補器類に手を加え、より力強いトルクを発揮できるようになったため、再び16Tスプロケットを試してみます。

 

16T×33Tのインプレッション

5速ギアに入っても弱いながら加速してくれるようになりました。多少の傾斜でも、少しぐらいの向かい風でも速度が維持できるようになっています。

トルクアップにもっとも貢献しているのはイグニッションコイル。どうやら点火力の弱さはエイプの弱点のようです。

 

副次効果として、5速での回転数と速度が一致するようになりました。30km/h時の回転数は3,000rpmであるため、シフトインジケーター代わりとなり、幻の6速へシフトアップするのを防いでくれます。

 

シフトアップ時の回転落ちは大きくなっていますが、ノーマルカムとノーマルキャブによる低い回転からのトルクバンドによりシフトアップで失速することもありません。

 

5速・3,000rpm・30km/hからでもスロットルを開ければ息継ぎすることなく加速してくれます。巡航時は音、振動ともに抑えられて快適です。

 

負荷が大きくなったぶん、5速での最高速は5,000rpm・50km/hどまり。4速なら8,000rpm・60km/hまでしっかりと吹き上がります。

 

16Tスプロケットのまとめ

ノーマルのスプロケット(14T×42T)はもちろん、14T×33Tのセットでも走り出してしまえば、2・3・4速は、5速に入れるための通過点でしかなく、ほとんど使いません。エイプ100と同じセットである15T×33Tにしてようやくミッションバイクとしての楽しさが出るように思えます。

 

発進は1速、2速で急加速、3速はマルチに使え、4速はドライブ、5速はオーバードライブというように四輪と同じようにギアを選択して走る楽しみが生まれます。

 

そういう意味ではエイプ50はエイプ100のデチューン版でしかないことを痛感しますが、エイプ50でも少し手を加えてやれば、より楽しく走ることができます。

 

むしろ、不足気味のエンジンパワーをシフト操作を駆使して一生懸命走るのはエイプ100にはない楽しみ方です。このまま50ccで原付二種登録したいくらいです。

 

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