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ベルハンマーの18倍!? 原付で『ヤマナカスペシャル』の効果検証! プレテスト編

高い極圧潤滑性でテレビでも紹介されるスズキ機工のSLベルハンマー。そのなかでも2022年半ばに登場した『LSベルハンマー山中(ヤマナカ)スペシャル』は、特殊潤滑成分を通常のベルハンマーのおおよそ18倍も濃縮配合したレース向けの潤滑剤です。

ベルハンマー山中スペシャルがどれほど優れているのか、実際に使って効果を検証していきます。今回はLSベルハンマー 山中スペシャルの解説と、バイクに使う前のプレテストです。

目次

 

 

『LSベルハンマー ヤマナカスペシャル』とは?


 

ベルハンマーとはスズキ機工株式会社が製造する「奇跡の潤滑剤」と歌われる高性能極圧潤滑剤です。

『LSベルハンマー 山中スペシャル』は、MotoGPのMoto3クラスへ参戦中の山中琉聖(やまなか りゅうせい)選手の要望で開発された原液タイプの特殊なベルハンマー。

タイムを出すために、摩擦抵抗を徹底的に減少させることに注力した製品であり、実際に山中選手のレース車両に使用されているそうです。

ベルハンマーを一般のバイクに使用しても大丈夫?

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『LSベルハンマー 山中スペシャル』は、極圧潤滑性を持つ特殊添加剤の配合量をLSベルハンマーの18倍にまで増やし、LSベルハンマーGOLDスプレーよりも高い潤滑性能を発揮するとのこと。

極圧潤滑剤とは、大きな力がかかる部分の動作や摩耗防止に適した潤滑剤であり、硫黄や塩素、リンなどの作用により金属表面をわずかに腐食させて潤滑性を保つ特性があります。

産業機械や建設機械に加え、身近なところでは自動車のトランスミッションやデファレンシャルギアなど小さな面積に大きな力が掛かる機構部に極圧潤滑性のオイルやグリスが用いられています。

 

ベルハンマーは金属表面を腐食させる活性極圧潤滑剤

もちろんベルハンマーも塩素と硫黄を含む活性極圧潤滑剤です。

化学変化で金属表面の組成を変えることで高い潤滑性能を発揮するものの、ベルハンマーは熱や水分などと作用して塩酸を生成し、鉄やアルミを始めとする多くの金属を腐食させる性質を持ちます。

ただし、スズキ機工は「ベルハンマーは腐食によって金属表面を脆くするのではなく、改質によって表面高度を上げ、鍛えている」と説明しています。

特殊添加剤の配合量を増やした山中スペシャルは、上記の腐食がより顕著に現れることが懸念されます。

レースでの使用であれば部品はすぐに交換されるため問題は出ないでしょう。実際に、レース走行時のスプロケットの摩耗やワイヤーの切断が抑えられているそうです。

しかし、そうであっても山中スペシャルは一般走行をするストリートバイクへの使用はリスクが高い潤滑剤といえます。

しかし高い潤滑性を謳うベルハンマーに対して18倍相当の特殊添加剤によって、そのぶん摩擦がより低減され、燃費向上や各部品の動きの改善に高い効果が得られるはずです。

使用に際して懸念点は多々あるものの、容易に交換可能な箇所に限定して使用すればストリートバイクに使用しても大きな問題にはならないでしょう。

 

『山中スペシャル』は普通のベルハンマーよりさらに高価!

bell_hammer_yamanaka_spescial_package山中スペシャルのもっとも大きな問題は価格です。

ベルハンマーの原液が1,425円であるのに対し、山中スペシャルは同じ80ml入りボトルで2,970円と非常に高額。1mlあたり値段は約37円です。

とはいえ、価格に見合うだけの性能を発揮してくれさえすれば何の問題もありません。

スプレータイプのベルハンマーは使いやすいものの、溶剤が含まれるため実質的な添加量は低下します。そのためパフォーマンスを求めるなら原液を使用した方がお得といえるでしょう。

化粧品の詰め替え注射器などを使用して、最低限の使用量でどれだけ性能に違いがあるかを部位ごとに性能とコストパフォーマンスを検証していきます。

 

車のスライドドアでベルハンマー『山中スペシャル』のプレテスト

bell_hammer_yamanaka_spescial_Apply_slide_door

初めてベルハンマーを使うため、バイクへの使用前に、まずはベルハンマー山中スペシャルの潤滑性能がどれほどのものかを車のスライドドアでテストします。

車種はDA64型スズキ エブリイバン。電動スライドドアなど備わらない手動のスライドドアです。

スライドドアの摺動部となるドア上下部、後方のレール支持部のベアリングおよびローラーに塗布したところ、重かったスライドドアの開閉が非常に楽になりました。

ドアを強めに押し引きすれば、ある程度の距離まで惰性で動くようになるほどの改善です。

そのほか、フロントドアやリアハッチのヒンジ部にも塗布したところ、摺動抵抗の低減が体感できました。

また、車のドアキャッチに塗布するとドアノブを引いてロックが外れたときの安っぽい感触が少しだけ改善されます。

とはいえ、極圧潤滑剤であるベルハンマーが真の性能を発揮するのは、大きな外力がかかり、摩擦熱により金属表面が活性状態になる箇所。

メンテナンスを兼ねてバイクの各部に使用し、随時テストを行っていますが使用感は上々です。

ベルハンマーの原液やベルハンマーGOLDとの厳密な違いは比較できないものの、ベルハンマー山中スペシャルは通常の潤滑剤としても高い性能を備えていることは十分に実感できました。

 

ベルハンマー山中スペシャルの使用レポートは部位ごとに複数回に分けて公開しております。

第1回【ドライブトレインロス低減】編

第2回【操作性改善】編

第3回【乗り心地改善】編

第4回【使ってはいけない箇所】編

番外【エンジン】編

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