エイプ@ログ

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原付エイプ【乗り心地が劇的改善】リアサスペンションリンクのグリスアップ

私のエイプは乗り心地の悪さが悩みのタネ。小型バイクとはこんなものなのでしょうか? これでは自転車の方がまだマシです。

そこで乗り心地改善のためにサスペンションリンクのグリスアップを敢行。その結果、乗り心地は劇的に改善しました。

バイクショップなどに作業を頼むと1万5,000円ほどの費用がかかりますが、自分で行えばタダ。加えて、足回りの状態も確認することができます。

軽量な原付バイクならDIYによるスイングアームのグリスアップをおすすめします。

 

スイングアームのグリスが切れると乗り心地は劣悪!

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中古で購入したエイプは乗り心地悪さが悩みの種。わずかな路面の凹凸を乗り越えるだけでも突き上げを感じ、荒れた路面は腰を浮かさなければ乗っていられないほどです。

感覚でいえばレーシングカートと同程度。アトラクションとしてなら楽しめますが、移動目的では自転車の方がまだ快適です。

ギャップを見つけるたびに、衝撃に備えて身体はこわばり、回避しようと蛇行運転。これでは移動の足として利用するには少々問題です。

サスペンションはなるべく抵抗なく上下動することが求められます。スイングアームの動きが悪いと突き上げ感の原因に。さらにベアリングなどが固着してしまうと、路面のギャップなどを越えた際にリアタイヤが浮き、事故に発展する恐れもあります。

エイプのリアサスペンション構造

エイプやその他のバイクに採用されているリンク機構は、スイングアームとテンションロッドを三角形のリンクを介してダンパーに伝える可変レバー比構造をしています。

アームがストロークすると、ダンパーを支持しているリンクピボット位置が下がるため、アームの上下動に対して、サスペンションは非常に小さくゆっくり動くようになっています。

また、上下2本のアームを用いて支持することで単純な円運動ではなく、垂直移動に違いジオメトリーにすることでストローク時のホイールベース変化を抑えているようです。

それぞれの接合部は、ベアリングではなくメタルとグリスによって潤滑されているよう。立派なモノサスペンション構造もグリスが切れてしまえば、乗り心地が悪くなるのは当然。おまけにサスペンションの機能を十分に活かすこともできません。

 

スイングアームをグリスアップ

サスペンションリンクにグリスアップをするためには、スイングアームを外さなければいけません。そして、スイングアームを外すためには、左右のステップおよびリアブレーキリンクも外さなくてはいけません。

さすがに固定しなければ横転の危険があるため、適当な高さの台にエンジン下部を乗せて車体を安定させます。自動車用のパンタグラフジャッキも利用すると確実です。

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センタースタンドがあるバイクか、人力で持ち上げられる原付でなければバイクのグリスアップはなかなか難しい作業です。

これだけアフターパーツが多いエイプにもかかわらず、センタースタンドのラインナップがないのが不思議でなりません。

準備ができたらひたすら分解と清掃。外観やリンク内部はそれほど汚れていないため、わりと年式が新しく、手荒には扱われていない個体のようです。

それでも一部のリンクカラーはグリス切れでカジリが発生し、サビていました。今回は部品交換はしませんが、次回は新品部品で交換したいところです。

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とくにカジリがひどかったのは、テンションロッドのリンク側。次にリンクとスイングアームをつなぐ部分のカラー。他の部分はそれほどでもありませんでした。

荒れた摺動面を真鍮ブラシや紙ヤスリで磨いてからグリスをさします。グリスは定評のあるゾイルの金属面改質グリスを使用しました。これだけカジリついた面でも改善するものなのでしょうか。

グリスを摺動面に塗りたくり、さらにカラーやボルトがフロート状態になるようにグリスを充填してやります。

スイングアームとテンションロッドなどの長めのピボットには中央部にグリス溜まりがあるため多めに充填すべきでしょう。そして、ボルト類にもグリスを塗りながら組み付け、元にもどして完成です。

元に戻す際は組み付け方向がわからなくなりがちなので、分解する前の状態をメモや画像に残しておくとよいでしょう。グリスアップの作業時間は3時間ほどでした。

 

グリスアップ後のインプレッション

グリスアップ完了後にシートに座ったまま上下に揺すってみるとサスペンションの動き出しがスムースになっているのがハッキリとわかります。

突き上げの衝撃に怯えていたいつもの通り道を走行すると、フラットライドとはいかないものの、明らかに乗り心地が改善しています。

安心してスロットルを開けられるようになり、中長距離の移動も非常にラクになりそうです。とはいえ数kmも走れば乗り心地のよさに身体が慣れ、当初の感動は薄れてしまいます。

しかし、大きな段差を越えても、予想より遥かに小さなショックに収まり、しっかりとサスペンションがいなしてくれるのがしっかりと体感できるようになりました。

2年ぶりのグリスアップ

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前回のグリスアップから2年弱が経過し、やや乗り心地の悪化が気になってきました。

また、後に控えるダンパー交換およびセッティング出し前のリフレッシュと、足まわりのクリーニングを兼ねてサスペンションリンクのグリスアップを行いました。

分解した状態はグリスが切れていることもなく、リンクメタルのカジリ以外はとくに目立った機械的劣化も見あたりませんでした。エイプのサスペンションは、走行頻度にもよりますが3年程度ならノーメンテでも問題なさそうです。

グリスは前回同様、高価なスーパーゾイルのリチウムグリスを使います。ただしスーパーゾイルが謳う金属表面改質剤の効果はいまいち体感できません。

摺動部表面がきれいになっているかと思いきや、そうではない様子。もっとも、劣化の進行を食い止められているだけでもグリスとして確かな性能であることは実感できます。

バイクはとにかくグリスを切らさないことが大切です。グリスが完全に切れてしまうと、該当箇所の劣化が一気に進行します。 

2年後グリスアップのインプレッション

再グリスアップ後は以前にも増してリアサスペンションがよく動いていることを実感できます。上下動には大きな変化が感じられませんが、車体を前後に揺するとピッチ方向に動きやすくなった印象です。

乗り心地の向上も体感できました。後日、100kmのツーリングを敢行しましたが、以前は痛かったお尻はまったく問題なし。

一切我慢を強いられることなく快適に100kmを走行できました。これがエイプ本来の乗り心地であるならば、原付として必要十分な性能と言えるでしょう。

 

グリスアップのついでにしておきたい5つのメンテナンス

エイプのリアサスペンションをグリスアップをするには、左右ステップおよびリアブレーキペダル、リアタイヤを外さなくてはなりません。

そのついでに各部の状態チェックとメンテナンスを行ってしまいましょう。グリスアップのついでにできる5つのメンテナンスを解説します。

1.ハブダンパーの状態チェック

honda_ape_hub-damperハブダンパーとは、ドリブンスプロケットを支えるゴム製のクッションであり、瞬間的に過大な駆動力が伝わってタイヤグリップを失わないようにするための安全装置といえる重要な部分です。

スプロケットを回転方向にゆすってガタがあればゴムがヘタっています。

ガタがある状態だと、駆動力の伝達にわずかなタイムラグが発生してコントロール性が著しく低下します。

エイプ(ドラムブレーキ車)の場合は、固定しているスナップリングを外すために専用のプライヤーが必要です。

2.ハブベアリングのチェック

hoda_ape_hub-bearingホイールを支える左右2個のハブベアリングが、スムーズに回転するか確認しましょう。

グリスが足りないようならグリスアップ。ガタがあったり、スムーズに回転しないようなら交換です。

取り付け時にはベアリングとカラーの摺動面にもグリスを塗布してタイヤホイールを組み付けましょう。

3.リアブレーキチェック

hoda_ape_drum-brakeディスクブレーキ車ならキャリパー単体でチェック可能ですが、ドラムブレーキはホイール内側に機構が備わっているため、タイヤを外さなくては状態確認ができません。

ドラムブレーキのチェックポイントは以下の3点。

①ライニング(シューパッド)残量と状態

②ホイール側摺動面の状態

③作動カムのグリス状態

ライニング表面が炭化していたり、動作時に鳴きが発生するようならライニングの表面と角をならすようにヤスリがけをしましょう。

ホイール側の摺動面が荒れているようなら、そちらもヤスリで整えます。ライニング残量と、カムのグリスが切れていないかどうかも確認しましょう。

汚れているようならブレーキクリーナーを使って清掃します。とくに古いバイクはライニングから発生した粉状の汚れは吸い込まないよう注意してください。

4.リアブレーキペダルのグリスアップ

honda_ape_rear-brake_pivot忘れがちなのがこの部分。ブレーキペダルピボットカラーのグリスアップです。

固着はしていなかったものの、案の定グリスが切れてサビが発生していました。ヤスリで磨いてグリスアップ。

グリスだまりが設けられているため、はみ出さない程度にグリスを多めに塗布しておきましょう。

グリスアップ後はドラムブレーキでも踏力コントロール性がアップし、リアブレーキが使いやすくなります。

5.ホイールバランス

走行すればホイールバランスは狂います。タイヤの磨耗やホイールウェイトの脱落は仕方がないとしても、タイヤ交換後直後はタイヤとホイールの位相ズレが起こりやすい状況です。

とくにビードクリームが乾ききって、タイヤがホイールになじむまでは急加速や急ブレーキは厳禁です。

125cc以下はホイールバランスを取らないのが一般的だそうですが、回転物のマスバランスは整っているに越したことはありません。

とはいえ、バイク屋さんに頼むと困惑されそうなので、こっそりとDIYで行ってしまいましょう。

DIYでバイクのホイールバランスを取るには専用のシャフト付き台座が必要です。

しかし、ハブベアリングさえがスムーズに動いてくれれば、アクスルシャフトをホイールに差し込んでタイヤを浮かせるだけでも重心部分は回転して下がります。

高い調整精度は望めないと思われますが、原付ならこれでも十分でしょう。

ホイールバランス調整後はシフトチェンジの回転合わせが容易になったり、タイヤのグリップ状態がわかりやすくなります。アンダーパワーかつローコストな原付ほど、ホイールバランスの効果がわかりやすいと思われます。

原付だからこそホイールバランス調整が必要!【専用工具不要】DIYでできる簡単なやり方 - エイプ@ログ

 

まとめ

エイプと言わず、バイクの各部動作は多くがグリスに依存しています。とくに走行中は常に動いているサスペンションリンクのグリス切れは足まわりの劣化を著しく助長します。乗り心地の悪さを感じたら早めのチェックとメンテナンスが肝心です。

また、スイングアーム周りは車体のなかでもっとも汚れやすい部分です。細部まできれいにできるのも分解清掃ならではのメリットと言えるでしょう。

 

↓愛用のスーパーゾイルグリスは金属表面改質効果を持つ高級リチウム系グリスです。2年経ってもグリスが残っており、各部の劣化もしっかりと抑えてくれます。

↓ゾイルと同様の特製を持ち、高い潤滑性能を謳うベルハンマー山中スペシャルを添加することでさらにスイングアームがスムーズに動くようになりました。

↓フロントフォークのメンテナンスもスイングアームのグリスアップと同時時期に行っておきたいところです。前後の足周りをリフレッシュすることで、より乗り心地改善効果が期待できるでしょう。

↓ミニバイクのトルク管理にはデジタルトルクレンチがおすすめです。TONEのハンディデジトルクなら、これひとつあればエンジンを除く車体すべてトルク管理ができます。

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