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ハンドルに応じてバーエンドの付け方は変えるべき!振動対策の新提案『マスダンパー固定』

ハンドルの振動に対してはバーエンドウェイトを重くすることが有効な対策となりますが、単純に重くするだけでは発揮しきれているとはいえないようです。

今回の検証の結果から、ラバー固定タイプのハンドルバーエンドは取り付け方によって効果も変わることが確認できました。

実体験に基づくハンドルの振動対策として、バーエンドウェイトの『マスダンパー固定』を新たに提案します。

ハンドルの振動について悩んでいるなら、バーエンドの取付方法の見直しをおすすめします。

目次

 

手の痺れはバーエンドの取付方法で改善できる!

honda_ape_handle_bar_whight

バイクにとって運転中の手のしびれは無視できない問題です。手をしびれさせるハンドルの振動は、エンジンの振動がハンドルへと伝わり、共振を起こすことでより大きく不快な振動へと増幅されることで起こります。

振動の発生源であるエンジンに対策を施すのは困難であるため、ハンドルの振動対策としては以下の3つの手法がよく用いられます。

  • クッション厚のあるグローブを装着
  • 振動吸収性にすぐれたグリップラバーへの交換
  • 重いバーエンドへ交換 

グローブやグリップラバーの変更は、どのような場合にも効果を発揮します。これに加えて、重いバーエンドへ交換することでグローブやグリップの効果がより活かせるようになります。

今回提案するのは、ハンドルの素材や剛性に応じたバーエンドのチューニング方法です。

とはいっても、バイクや乗り方に応じてバーエンドウェイトの重量を変えるような面倒な方法ではなく、2種類の取り付け方をハンドルの材質に応じて切り替えるだけです。

現在スチールハンドルを使用している場合は、バーエンドの取り付け方法をほんの少し見直すだけで振動を軽減できるかもしれません。

 

アルミハンドルとスチールハンドルはどちらが振動しやすい?

honda_ape_aluminum_handle

以前使用していたメーカー不明のアルミ製バーハンドル

ハンドルをハリケーンのミニスワローに交換してから振動が明らかに増えました。加えて、以前より低いエンジン回転数でもミラーのブレが発生するようになっています。

以前のハンドルはミラーが振動しづらい代わりに、レブリミット付近まで回すとミラーが使い物にならないほどのひどい振幅を起こしていました。しかし、ミニスワローに交換してからはミラーが震えやすくはなっているものの、レブリミット付近での振幅自体は小さく抑えられています。

以前使っていたハンドルと、交換したハリケーンのハンドルの大きな違いはハンドルの材質です。

ハリケーン ミニスワローはスチール製。以前に使っていたバーハンドルはメーカー不明のアルミ製です。

またそれぞれの寸法も大きく異なり、ハリケーン ミニスワローはスチール製で外径22.2mm×内径18mm。以前のハンドルはアルミ製で外径22.2mm×内径16mmでした。

以前に使っていたハンドルは、強度に劣るアルミ製ということでパイプを肉厚にして剛性を確保しているようです。

スチールのほうが剛性は高そうですが、実はアルミの方が振動減衰性に優れるため、素材単体でみるとアルミ製ハンドルの方が手に伝わる振動は少なくなる傾向にあります。

このように、ハンドルの材質や寸法によって振動の伝わり方は変わるという事実があります。

 

アルミvsスチール! 手に伝わる振動の変化

honda_ape_steel_handle

スチール製のハリケーン ミニスワロー

スチール製のミニスワローに、以前から使用している『デイトナ ヘビーウェイト ハンドルバーエンド(片側重量117g)』をそのまま流用すると、ハンドルグリップの根本付近はほとんど振動していないのに対し、端側は見てわかるほどに振動するようになりました。

試しにミニスワローからバーエンドを外してみると、今度はハンドルのグリップ全体が不快に感じるほど細かく震えています。このことから、バーエンドの有無や重さによってハンドルの振動具合が変化するのは確かなようです。

スチールは、アルミよりも靭性に優れるためハンドルそのものがバネのように機能しやすい特徴があります。また、パイプ厚も薄いため、スチール製のミニスワローの方が振幅しやすくなったのでしょう。

重量物であるバーエンドが付いた端側が大きく震えることで、相対的にハンドル内側ほど振動が抑えられていたことで、異常のような状態に変化したのだと予想されます。

この振動を抑えるために試行錯誤した結果、バーエンドの取り付け方を変える方法に行き着きました。

 

振動対策の新提案「ハンドルバーエンドのマスダンパー固定」

honda_ape_handle_bar_whight_mass_damper

バーエンドを奥まで差し込まず、隙間を設ける「マスダンパー固定」

大きな振幅が起こるハンドルに対して試してみたいのがバーエンドの「マスダンパー固定」です。

「マスダンパー」とは重りを完全に固定せず、発生する振動に対して逆位相の振幅を起こして振動を相殺する仕組みを言い、ビルの制振装置などに用いられる仕組みです。

そのほか、F-1(世界フォーミュラ選手権)車両や、バイクのスイングアームなどにも用いられ、タイヤの接地荷重の安定化などもマスダンパーが用いられます。

本来バイクに取り付けるバーエンドは、ハンドルに密着させて取り付けるのが一般的です。

しかし「マスダンパー固定」は、バーエンドをハンドル端に密着させず、隙間を設けてフロート固定とする取付方法です。

実際にミニスワローでマスダンパー固定を試したところ、不快だった振動が抑えられ十分に快適なレベルにまで抑えられました。

ハンドルの振動に対して、重いバーエンドが遅れて振動することで振動がうまく相殺されているのだと思われます。

本来のマスダンパーは、マス(重量物)の固定にバネなどを使用しますが、ラバーゴムによるバーエンドの固定でも、ある程度マスダンパーとしての機能を果たしてくれるようです。

もちろん、この手法が使えるのはゴムによって固定する方式のバーエンドのみです。

【再検証アルミハンドルにマスダンパー固定だと効果なし

本当にバーエンドのマスダンパー固定が有効であるかを検証するために、同じくアルミ製ハンドルでも試してみました。

同じようにアルミ製ハンドルへマスダンパー固定を試すと、そうでない場合に比べて明らかに振動が増えます。やはりバーエンドのマスダンパー固定は、振幅が大きい場合にのみ効果を発揮するようです。

以上の結果から導き出される法則は以下のようになります。

ハンドルの剛性が高く、発生する細かい振動に対しては、バーエンドをなるべくハンドルと密着させ強固に固定するのが有効。

ハンドル剛性が低く、大きく振幅する振動に対しては、バーエンドのマスダンパー固定が有効。

以上のことから、ハンドルの材質や形状、震え方によってバーエンドの取り付け方法を変えることで振動具合が調整できることがわかりました。

もちろん、ブレースバーの有無や各部のボルトの締め付け具合なども振動の伝わり方に影響することでしょう。

ハンドルを交換して妙に振動が大きくなったと感じた場合には、バーエンドの取り付け方法を変えてみて、どちらが振動が少ないか試してみることをおすすめします。

 

ハンドルに応じてバーエンド取り付け状態を見直そう!

剛性うんぬんと難しい事を言わずとも、スチールハンドルには隙間を設けたフロート固定、アルミハンドルには隙間がない通常のガッチリ固定がおおむねマッチすると思われます。

アルミハンドルで振動が気になる場合は、もしかしたら取付ネジ緩みによってバーエンドがハンドルの間に隙間ができてマスダンパー固定となり、本来の効果が発揮できていない可能性も考えられます。

しびれ対策と、脱落防止および安全確保のためにバーエンドの固定具合は定期的に確認することをおすすめします。

 

筆者が使用しているバーエンドは、ラバーゴム取り付け方式では最重量級とも思われるデイトナの「ヘビーウェイトバーエンド」。重量は片側117gです。

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